わが国で最も一般的で通用している安全管理基準には,日本リハビリテーション医学会の「リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン」があります.これは「土肥・アンダーソンの基準」にならって構成されています.中身は主に心疾患などの既往とバイタルサインの計測値で構成されています.
たとえば,
- 積極的なリハを実施しない場合
[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上
[2] 安静時収縮期血圧 70mmHg 以下または 200mmHg 以上
[3] 安静時拡張期血圧 120mmHg 以上
[4] 労作性狭心症の方
[5] 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
[6] 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
[7] 著しい不整脈がある場合
[8] 安静時胸痛がある場合
[9] リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
[10] 座位でめまい,冷や汗,嘔気などがある場合
[11] 安静時体温が 38 度以上
[12] 安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下
とあります.ここがリハビリテーションの狭義のリスク管理でまずしっかりと理解しておきたいところです.バイタルサインとの関係でみると1が脈拍,2と3が血圧,11が体温,12は呼吸に関連することになります.
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