「ヒヤリハット」とは、事故に至らなかったが、もし少し状況が違っていたら大きな事故につながりかねないと感じる状況や出来事を指します。福祉用具を使用する際にも、ヒヤリハット事例は多く存在し、これらを共有し予防策を講じることが重要です。以下は、福祉用具に関連するヒヤリハット事例の例です。
1. 車いすのブレーキ不良
- 事例: 車いすのブレーキが効かなくなり、利用者が坂道を転がり始めた。幸い近くにいた介護者がすぐに対応し、事故には至らなかった。
- 予防策: 定期的なブレーキの点検とメンテナンスを行う。利用前には必ずブレーキの効きを確認する。
2. 歩行器の破損
- 事例: 長期間使用されていた歩行器の一部が壊れ、利用者がつまずきそうになった。利用者は無事だったが、少し違えば転倒していた可能性がある。
- 予防策: 歩行器の定期的な点検と、劣化や破損が見られた場合の速やかな修理または交換。
他にも次のようなものがあります。
- ブレーキをかけ忘れ、利用者が立ち上がろうとした際に転倒しそうになった
- 利用者の腕が車いすのひじ掛けに乗せられておらず、手をタイヤに巻き込みそうになった
- 石があるのに気づかずに車椅子を押し、利用者が倒れそうになった
3. 電動ベッドの操作ミス
- 事例: 利用者が電動ベッドの操作を誤り、ベッドが急激に動いてしまった。利用者は驚いたが、幸い怪我はなかった。
- 予防策: 電動ベッドの操作方法をしっかりと教育し、必要であれば操作パネルのロック機能を利用する。
4. 浴槽リフトの電池切れ
- 事例: 浴槽リフトの電池が切れ、利用者が浴槽に入ったまま動けなくなった。介護者がすぐに気付き、手動でリフトを動かして事なきを得た。
- 予防策: 浴槽リフトの電池残量を常に確認し、定期的に充電または交換を行う。
5. 手すりの取り付け不良
- 事例: トイレの手すりがしっかりと固定されていなかったため、利用者が体重をかけた瞬間に手すりが外れそうになった。利用者はバランスを取ることができ、転倒は防げた。
- 予防策: 手すりの取り付けは専門業者に依頼し、定期的に固定状態を点検する。
これらのヒヤリハット事例を共有し、予防策を講じることで、福祉用具を安全に使用する環境を整えることができます。ヒヤリハットが起こった場合は、報告書に記録し、施設内で共有します。また、少人数グループや事故防止委員会などで、原因や対策の話し合いを定期的に行うことも重要です。
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