「臨床実習の手引き(第4版)より」カテゴリーアーカイブ

対象者及び家族と目標を共有する

【一般目標10:長期目標および短期目標を設定する。】

◇◇行動目標:

・・・10-3 対象者及び家族と目標を共有する。

今回は,10-3 対象者及び家族と目標を共有する,がテーマです.一般目標10:長期目標および短期目標を設定する,の最後の行動目標です.

対象者及び家族と目標を共有する,ということは日々重要度が増していくと思われます.様々な情報を共有し,意思決定に利用していこうとするのは分野を問わず世界的な時代の潮流だからです. 作業療法の場合,クライエント中心の作業療法といえばカナダ作業遂行モデル(CMOP)です.たしかに,学生さんの症例報告発表を聴いてみるとカナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure;COPM)を利用した発表も増加傾向にあるようです.いずれにしても,患者さんやそのご家族と目標を共有することは,患者さんにとっての意味のある作業の実現に必要なことだと思われます.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

長期目標と短期目標を関連づけて設定する

【一般目標10:長期目標および短期目標を設定する。】

◇◇行動目標:

・・・10-2 長期目標と短期目標を関連づけて設定する。

今回は,10-2 長期目標と短期目標を関連づけて設定する,がテーマです.一般目標10:長期目標および短期目標を設定する,の二つ目の行動目標です.

目標がバラバラではなく,まとまっていくために長期目標と短期目標を関連づけるのは良い方法です.イメージとして長期目標が成立するための重要な因子の一つが短期目標だと構造的にすっきりしますが,特に決まりはありません.例えば,長期目標がADLの何かで,短期目標はそのADLの実現に関連した身体機能の場合などがあると思います.更衣動作の自立が目標だけど何が必要かな? 上肢の関節可動域? 座位のバランス? ・・・など,患者さんの評価結果から具体的に考えてみましょう.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

リハビリテーションゴールに沿った作業療法目標(長期目標・短期目標)を設定する

【一般目標10:長期目標および短期目標を設定する。】

◇◇行動目標:

・・・10-1 リハビリテーションゴールに沿った作業療法目標(長期目標・短期目標)を設定する。

今回は,10-1 リハビリテーションゴールに沿った作業療法目標(長期目標・短期目標)を設定する,がテーマです.一般目標10:長期目標および短期目標を設定する,の最初の行動目標です.

2018年7月24日,25日に関連記事がありますので,そちらもご覧ください.作業療法では,リハビリテーションゴールを考えるときに「意味のある作業の実現」ということが一つのキーワードとなってくるでしょう.患者さんとよくコミュニケーションをとって,患者さんのホープをうかがいましょう.実現が簡単でない場合が多いと思われますが,患者さんとともにどのようなリハビリテーションゴールがありうるのかについて考えていきましょう.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

抽出した各側面に優先順位をつける

【一般目標9:作業療法の対象となる生活機能と障害について焦点化する。】

◇◇行動目標:

・・・9-2 抽出した各側面に優先順位をつける。

今回は,9-2 抽出した各側面に優先順位をつける,がテーマです.一般目標9:作業療法の対象となる生活機能と障害について焦点化する,の二つ目の行動目標です.

前の行動目標の,「肯定的側面と否定的側面」を抽出するがきちんと完成していればそれほど難しくないと思います.

症例報告書では,大きくICFの図をかきます.Negative とPositiveとに分けて列挙します.また,問題点が♯,利点が♭と書くこともあります(この記号はNo.の意味).あくまでも例ですが,たとえば活動で,♯1爪切り動作介助,♭1食事動作自立と書いていきます.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

「肯定的側面と否定的側面」を抽出する

【一般目標9:作業療法の対象となる生活機能と障害について焦点化する。】

◇◇行動目標:

・・・9-1 「肯定的側面と否定的側面」を抽出する。

今回は,・9-1 「肯定的側面と否定的側面」を抽出する,がテーマです.一般目標9:作業療法の対象となる生活機能と障害について焦点化する,の最初の行動目標です.

この行動目標は,生活機能と障害についての「肯定的側面と否定的側面」を抽出するということでしょう.生活機能と障害という二つの用語が使われているのは,マイナス面だけでなくプラス面をあげる,つまり,利点と問題点と両方をあげましょう,ということだと思われます.国際生活機能分類(ICF)の考え方がいかされています.

症例報告書では,大きくICFの図をかき,心身機能と身体構造,活動と参加,環境因子と個人因子のそれぞれの箇所に利点と問題点を列挙していくということになります.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

リハビリテーションゴールを説明する(追記)

【一般目標8:将来像を予測する。】

◇◇行動目標:

・・・8-2 リハビリテーションゴールを説明する。

少し追加しておきます.下のように【Aパターン】と【Bパターン】の二つのパターンが多いようですので参考にしていただければと思います.最終的には施設ごと,ケースごとにあったものにカスタマイズしてください.

 

【Aパターン】→

◇治療目標

・リハビリテーションゴール(たとえば数か月,特に時間を指定しないこともある)→具体的な目標,または,その人にとって意味のある作業等

・長期目標(たとえば数か月)→具体的な目標

・短期目標(たとえば数週間)→具体的な目標

 

【Bパターン】→

◇治療目標(リハビリテーションゴール)

・長期目標(たとえば数か月)→具体的な目標

・短期目標(たとえば数週間)→具体的な目標

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

 

 

リハビリテーションゴールを説明する

【一般目標8:将来像を予測する。】

◇◇行動目標:

・・・8-2 リハビリテーションゴールを説明する。

目標の設定は課題の達成に有効です.リハビリテーションのゴールは,長期的な目標である長期目標と短期的な目標である短期目標の二つがあります.患者さんの状態はもちろんですが,急性期,回復期,維持期といったリハビリテーションの時期によっても狙いが違ってくると思われます.リハビリテーションのゴールの設定には患者さんのご希望をよく聞いておくことも重要です.これらを総合して組み立てたものを説明していくことになるでしょう.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

将来の生活に影響する環境因子と個人因子を説明する

【一般目標8:将来像を予測する。】

◇◇行動目標:

・・・8-1将来の生活に影響する環境因子と個人因子を説明する。

今回は,8-1将来の生活に影響する環境因子と個人因子を説明する,がテーマです.一般目標7の「将来像を予測する。」の最初の行動目標です.

ここでは,国際生活機能分類(ICF)の背景因子である環境因子と個人因子の将を説明するということです.着眼点として環境因子については,物的,人的,制度的な側面がありますし,個人因子には本人の価値観,ライフスタイルが含まれています.高度な内容だと思いますが,最低限,以下の点については検討する必要があると思われます.

・本人の希望.家族の希望.

・予測される本人の能力

・介助が必要であれば家族の介助力.

・利用できる社会資源の具体的な検討.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

「生活機能と障害」との相互関係をまとめる

【一般目標7:評価結果から全体像をまとめる。】

◇◇行動目標:

・・・7-4 「生活機能と障害」との相互関係をまとめる。

今回は,7-4 「生活機能と障害」との相互関係をまとめる,がテーマです.一般目標7の「評価結果から全体像をまとめる。」の最後の行動目標です.

「生活機能と障害」との相互関係をまとめる,では,国際生活機能分類(ICF)の図を大きく作成し,その中に自分自身の評価から導き出した結論を記していきます.ここで特に注意することは以下の二つになると思います.

・問題点だけでなく,利点も取り上げ,治療アプローチに結び付けていく.

・図中の矢印は一方方向でなく.双方向であることを理解し,治療アプローチに結び付けていく.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf

「環境因子と個人因子」について列挙する

【一般目標7:評価結果から全体像をまとめる。】

◇◇行動目標:

・・・7-3 「環境因子と個人因子」について列挙する。

今回は,7-3 「環境因子と個人因子」について列挙する。がテーマです.一般目標7の「評価結果から全体像をまとめる。」の中の三つ目の行動目標です.

国際障害分類(ICIDH,1980)になかった環境因子と個人因子が国際生活機能分類 (ICF,2001)で加えられたことは大きな意義があります.なぜなら,個体の中で完結していた障害という概念に,文脈と空間的な広がりを付与したからです.その部分には作業療法士の専門性があります.

人間は機械ではないので同じ障害でもゴールが人によって異なってきます.きめの細やかなアプローチが必要です.このように人によってゴールやアプローチが異なってくる理由の一つに,環境因子と個人因子の存在があります.その人の生きてきた文脈とその人を取り囲む広がりまで評価することが重要になってくるのです.あなたの評価は人の評価ではなく機械の評価になっていませんか.

長期の実習であれば丁寧に情報収集し,深く考察していきたいところです.

【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.

http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf