前回に続き,日本作業療法士協会の「作業療法臨床実習の手引き 第4版」を基に臨床実習の一般目標と行動目標について考えてみましょう.一般目標と行動目標という用語は,医学領域の研修において対で用いられるものです.教育目標は,一般目標 General Instructional Objectives (GIO)と行動目標 Specific Behavioral Objectives(SBO) の2つで示されています.そして,臨床実習指導者の多くの指導・助言があれば,模倣を経て臨床技能および臨床思考過程を実践できるレベルが最低到達基準となります.つまり,指導者の指導・助言があればなんとか実習を遂行できるとレベルいうことが必要になります.一般目標を達成するために必要な具体的な項目は行動目標をみればわかるように構成されています.イメージをつかむために例示を示しておきます.
一般目標とは,臨地実習の成果として期待される目標です.「作業療法臨床実習の手引き 第4版」の例示では,以下のような語があげられています.
~を知る。
~を認識する。
~を理解する。
~と判断する。
~を創造する。
~を修得する。
~を身につける
行動目標は,学生さんの成果を具体的、行動的に示したものです.「作業療法臨床実習の手引き 第4版」の例示では,以下のような語があげられています.
①認知領域(想起・解釈・問題解決)
~を列挙する。~を説明する。~を予測する。
~を比較する。~記述する。など
②精神運動領域(技術・技能)
~を実施する。~と感ずる。~を模倣する。
~を準備する。~を測定する。など
③情意領域(態度・習慣)
~を行う。~を表現する。~を尋ねる。
~と協調する。~と感じる。~を配慮する。
~を相談する。~に応える。など
【文献】社団法人日本作業療法士協会養成教育部:臨床実習総論.作業療法臨床実習の手引き 第4版: 社団法人日本作業療法士協会,2010.
http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2012/08/rinshoujisshuVer.422203251.pdf