臨地実習のセミナーについて

実習の後,ほとんどの養成校でセミナーが開催されると思います.中身は症例報告,実習の振り返りなど.とても勉強になります.実習を履修した学生さんが他発表を聴くのは当然ですが,もしもオープンなら,来年度実習に行く学生さんは最高の予習になりますので必ず聴いておきたいところです.

大嶋先生の還暦のお祝いの会

5月26日(土)に首都大学東京の大嶋伸雄先生の還暦のお祝いの会が開かれました.場所は西荻窪のビストロ・グラン・ソレーユでイタリアン・フレンチのおしゃれなお店でした.大嶋先生は認知作業療法研究会代表です.奥様もご一緒で先生からは素敵なスピーチもありました.参加されたのは大嶋研究室の院生,研究生,修了生のみなさまがほとんどですが,その多くは認知作業療法研究会の中心メンバーでもあります.お食事とワインも充実し,あちらこちらで会話が弾んでいました.

終わり良ければ全て良し

「立つ鳥跡を濁さず」といいます.臨地実習は終了しますが,施設への提出物,施設から返却していただくもの,印鑑の必要なものいろいろな事務手続きがあります.指導者の先生方,スタッフの皆様,そして,担当させていただいた患者さん,みんなに挨拶し感謝の気持ちをお伝えしましょう.

「終わり良ければ全て良し」といいます.長い実習だったでしょうか,それとも,あっという間だったでしょうか.とにかく最後までしっかりと.最後の最後でよかったというのも多いものです.

All’s well that ends well.

臨地実習と学内の授業の一番の違いは何でしょうか?

臨地実習と学内の授業の一番の違いは何でしょうか?

受け手なのか,担い手なのかの違いなのではないでしょうか.もちろん学内の授業でも主体的な学びは大切ですが,学外の実習ではどうでしょうか.患者さんや家族の目から見ると学生さんといえどもサービスの担い手側にあります.ここに実習の厳しさのひとつがあると思います.

学内の授業では授業の受け手でですが,臨地実習では実習を収めると同時に,専門職の卵であることが求められています.

夜明け前が一番暗い

「夜明け前が一番暗い」というのは英国のことわざで,ひどくタフな状況になったときに人はあきらめてしまいがちですが,朝日はもうすぐそこまできているということです.実習があと少しになるとやらなければいけないことも多く,しばしば大変な気持ちに陥りがちです.しかし,そんな時実習はもう少しで終了なのです.決して放り出すことなく,着実にひとつひとつ仕上げていきましょう.

途中で投げ出さずに最後まで走りぬくことが最大のミッションです.今回はがんばっている実習生にエールを贈る気持ちで書きました.夜明け前が一番暗い.しかし,明けない夜はありません.

“The darkest hour is that before the dawn.”

臨地実習と参加(国際生活機能分類)

長期の臨地実習になると患者さんの参加(国際生活機能分類)を考えることになります.しかし,それは臨床経験の乏しい学生さんにとってなかなか難しい課題でしょう.ここは指導者の先生にフィードバックをもらったり,患者さんとお話ししたり,ソーシャルワーカーの先生から情報を引き出すこととなります.国際生活機能分類でいえば個人因子や環境因子の情報が充実してくれば参加に関するヒントがあるかもしれません.患者さんについての参加のイメージがまとまれば長期の目標も絞れてくるでしょう.

臨地実習は誰のため

臨地実習は誰のために実施されるかというと,それは作業療法士の国家資格を取得しようとしている学生さんのためです.基本的に施設の指導者の先生や養成校の教員は,学生さんが作業療法士になるための様々な教育目標の達成を支援しているが役割といえるでしょう.しかし,ここで決して忘れてはならないことがあります.

患者さんは病院でリハビリするためにいらっしゃているのです.学生さんの症例報告書のためではありません.このことをよく認識しておかないと残念な実習になってしまいます.もちろん,学生さんとの関わりが良い結果に結び付く患者さんもたくさんいらっしゃいます.

また,施設の指導者の先生は,新しい作業療法士を育てるという熱意で自分の時間を削って指導していただいているのが普通です.

臨地実習の場において,患者さんや施設の指導者の先生に感謝することはよりよい実習に結び付くと思います.